アピストグラマをもっと知りたい。気付いたら嵌っていたドワーフシクリッドの飼育記録を綴ったブログです。

2018年12月9日日曜日

アピストの体色

Apistogramma cf. alacrina (sp. rotpunkt)
A. cf. alacrina / sp. rotpunkt


アピストの体色って環境や気分によって様々に変化しますよね。

購入したてでまだビニール袋に入っている状態では真っ白な体色だったのに、水槽に入れてしばらく経つと本来の体色が少しずつ出てきます。

また水槽の環境の違いによっても同じアピストなのに微妙に体色が違ったり・・・。

では話を自然界に移します。

Apistogramma cf. alacrina (sp. rotpunkt)
現地南米の川でも同じ事が言えると思います。

まずは大きな視点で例えると、ネグロ川に生息しているアピストと、タパジョスやシングー川に生息しているアピストでは、同じアマゾン川の支流なのに体色が根本的に異なります。

ネグロ川のアピストは黒っぽい地肌ですが、タパジョスやシングー川のアピストは白っぽい地肌をしています。

それはきっと水の色に関係しています。

ネグロ川の水は赤褐色の水、タパジョスやシングー川の水は透明です。長い進化の過程において環境に合わせて体色を変化させてきた結果なのだと思います。

要するにアピストも他の小魚同様、捕食者から身を守るために自分たちが生活している環境に溶け込むように体色を変化させているものと考えます。

では今度はもう少し視点を狭めて、ネグロ川に話を移します。

Apistogramma cf. alacrina (sp. rotpunkt)
ネグロ川は地上の樹木の枯れ葉など植物のエキスが染み出し赤褐色の水が流れています。

そんな川に生息するカージナルテトラは体の上半分が青色、下半分が赤色のよく知られているカラシンです。これは頭上からの捕食者に対しては上の青色が保護色となり、下の赤色は下からの捕食者に対しての保護色になっているとされています。

ではアピストはどうなのか。これについても同じ事が言えると思います。

アピストはカラシンとは違い、川底が生活区域です。

先ほどは水の色がアピストの体色を決めると書きましたが、より具体的に言うと川底の色がアピストの体色を決定する重要な要素と考えています。

ネグロ川に実際に行った事が無いので分かりませんが、話によると川底は真っ白な砂だと聞きます。その上に樹木の枯れ葉や枝などが堆積しているのでしょう。

白い砂でも水の色が赤褐色なので太陽に照らされた川底はやっぱり赤褐色だろうと思います。それも水深によりその濃淡は変化するものと思います。

アピストの体色も保護色だと考えると、ネグロ川に生息する赤色を持つアピストの体色はこのような環境に合わせ長い時間を掛けた進化の結果だと言えます。

なので採集されるポイントにより水の色、水深や川底の色が変化するので、真っ赤なエリザベが採集されることもあれば、青が主体のエリザベが採集されることもあるのです。

もちろん威張っていたオスと気弱なオスでも多少の体色の違いはあると思います。

もしもシングー川にエリザベが生息していたらどんな感じになっていたのだろうか。あまり想像したくありませんが(笑)

Apistogramma cf. alacrina (sp. rotpunkt)
この事はアクアリウムの飼育環境下でも言えることと思います。

上でも書いたようにアピストは低層が活動範囲なので、水の色よりも底床の色の方が重要だと考えています。

黒いソイルでの環境下ではくすんだ体色になるし、逆に明るい白っぽい底床では白飛びしてしまいます。

海外のホビーストの環境を見ると、比較的大きな水槽に白砂を敷き、その上に枯れ葉や流木や水草を置きブラックウォーターにして飼育している方が多いように思います。

それはきっと魚愛から現地の環境を再現しているものと思います。それに異議を唱えようなんて事は一切ありません。

そのような環境では魚の良い写真が撮れないので私はやらないだけです(^-^;

ただ全てのアピストがそのようなブラックウォーターの環境がベストかと言うと、そうではないと思っています。

アピストが生息している川の大きさや水深、水の色、流れの速さなどによって川底の様子は異なっているはずなので、なるべくその種が生息していたであろう環境に近づけてあげる事が必要だと思います。

ならば種に合わせて大量の枯れ葉を入れたり、汚泥が堆積した水槽にするのか?

いや、そうではありません(^-^;

Apistogramma cf. alacrina (sp. rotpunkt)
そうしようとすると水槽の維持がかなりハードになってしまうのでとても私には無理です。

種によって、その種が生息していたであろう川底の色を予想して底床をその色に近付けるようにしています。

私の予想では・・・、

・赤色を持っているアピストはブラックウォーターの住人なので、赤茶色の底床。

・青色が主体のアピストはクリアウォーターの住人なので、明るめの爽やかな色の底床。

・黄色が多いアピストは泥が堆積した川の住人なので、茶色っぽい底床。

と考え、底床の色をその種に合わせて変えています。

『いやいや、オタクの水槽の底床はどれも同じで色々な砂を混ぜたヤツじゃん!』

とおっしゃると思いますが、はい、実はその通りです(笑)

飼育水もほとんどの水槽がクリアウォーターです(笑)

ではどうしているかと言うと、光の色を変えて底床の色を変化させています。

電球の色を変えるのではなく、ガラス蓋の上に色の付いたセロファン紙のような物を置いて底床の色に変化を与えています。

100円ショップとかでも売ってるか分かりませんが、私は舞台照明に使われるカラーフィルターというのを何色か使用して色を変えています。

もしピートやマジックリーフやヤシャブシの実などで飼育水をブラックウォーターにするためだけに使用している方が居たら、このようにもっと簡単な方法がある事を提案したいと思います。


Apistogramma cf. alacrina (sp. rotpunkt)
さてさて、ようやくこのアピストの話(^-^;

普通のロートプンクとは全く異なりました。ある意味新種と言えるのでは(笑)

体色に関しては、頬周りのブルーがギラギラ(笑)

頭は一般的なロートプンクに見られる黄色はほとんど無し。

各鰭にはロートプンクらしくない色を持ち、尻びれは特に綺麗。そして尾びれには赤い斑点が出てきそう。

体色から生息環境を想像するに、薄~い赤褐色の水で、白砂の川底の上に少しの枯れ葉と枝流木が折り重なっている川であろう、と勝手に予想してみた!(笑)

Apistogramma cf. alacrina (sp. rotpunkt)
そして雌雄共通で体後半にはギビバンドのような斜めのラインが入る。

他のアラクリナにもこのようなラインが出そうな種も居ますが、ここまで濃く斜めにラインが表現されるアラクリナは他に居ないと思います。

体色については環境により変化すると上で書きましたが、黒色素胞で形取られたラインや模様、所謂メラニンパターンについては環境によるものではなく、遺伝的なものです。

なので、このアピストは一般的なロートプンクとは異なる別種と言えると思います。

ただアラクリナの枠からは決して出ることはありません!(笑)


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