また一部誤解もされている部分もあるようで・・・、重ね重ねすみません!
今回はそのお詫びの意味も込めて、イニリダエグループに属しているアピストの見分け方を整理していこうと思います。
ただし、「ワシはそのアピストが綺麗だったら種なんて関係ないんや!」なんて思っている方にはあまり役に立たないと思いますので読み飛ばしてください(^-^;
まず分類については、マイク・ワイズ氏が作成したアピストグラマ種名リストを基に話を進めていこうと思います。
現在主に知られているアピストの分類方法は、目や口の周りにある細孔と呼ばれる肉眼ではほとんど見えない小さなクレーターのような(恐らく感覚器官の)数により大きなグループに分類されています。
そして体色や鰭の形状等の違いにはさほど捉われず、黒色のメラニン色素の形や大きさを判別の重要な要素として更に細分化されています。
従って将来DNA解析等詳細な研究が進めば現在の分類が変わってくる可能性があります。
ではイニリダエグループのおさらいです。
写真 | 記載 | 別名(シノニム) | 生息地 | |
---|---|---|---|---|
イニリダエ | 記載種 | A. sp. Fladenflossen A. sp. Thread-fin |
イニリダ川 オリノコ川上流域 |
|
sp.ブルトケール | 未記載 | A. sp. Cutthroat | オリノコ川上中流域 グアビアーレ川 |
|
ウアウペシー | 記載種 | A. sp. Rotkeil/Red-wedge A. sp. Arica A. sp. Ararira A. sp. Felsen/Rock A. sp. Ventuari 2 |
ネグロ川 ウアウペス川~ヴァウペス川 |
|
フラベリカウダ | 記載種 | オリノコ川上中流域 Río Autana ウアウペス川 |
||
リネアタ | 記載種 | オリノコ川上流域 | ||
sp.イサナ | 未記載 | イサナ川 | ||
sp.セーゲルフロッセン | 未記載 | A. sp. Sail-fin | オリノコ川中流域 Río Autana |
|
sp.D42 | - | 未記載 | ネグロ川上流域 | |
sp.D44 | - | 未記載 | (Bouncing Apisto) | |
sp.D51 | - | 未記載 | ネグロ川最上流域 |
基本的にはこの10種になります。今年発見されたsp.D51もこのグループに入ります。
それでは早速分類の仕方について説明していきたいと思います。
内容としては、『お腹の模様』『尾鰭の形/模様』『顔周りの模様』で大体の種を分類出来ます。
まずは『お腹の模様』です。
ラテラルバンドの下にほぼ垂直に黒い染みのような模様の有無を見ます。
我々仲間の間では、これをいつしか『ダニバンド』と呼んでいます(笑) 上の写真で言うと右側がダニバンドです。
一方左側はダニバンドは無く、ラテラルバンドと平行に細い線が入っています。これはアブドミナルストライプと呼ばれています。
ダニバンドは常に出ている模様ではありませんが、もしこのダニバンドが出た場合は、イニリダエかブルトケールとなります。
次に『尾鰭の形と模様』です。
上が「ライヤーテール」、左が「ラウンドテール」、右が「スペードテール(かも(笑))」です。
これはオス個体に限ったことですが、これも種を判定するための要素となります。
尾鰭の模様についてはほとんどの種に存在しますが、フラベリカウダは尾鰭の真ん中のみで上下には模様はありません。またブルトケールには尾鰭に全く模様が入らないタイプが居ます。今のところ別種とは思えないのでかなりレアなケースですがブルトの範疇かと思われます。
次は『顔周りの模様』。
これについては模様が出現する個体とそうでない個体が居る可能性があるので、マイク・ワイズ氏は種を判別する上で重要視していませんが、興奮すると普段出ていない模様がドッと出てくる事が多いので確認してみてください。
上は「鰓蓋から顎下まで模様が出るタイプ」、左が「顎下に模様が出るタイプ」、右が「模様が出ないタイプ」です。
右の個体はイニリダエですが、生息地によりイニリダエにも隈取が出る個体がいます。
このタイプは、cf.イニリダエ(red gill cover markings)と呼ばれています。
以上をふまえて整理し直したのが下の表です。
写真 | お腹 | 尾鰭 | 顔 | |
---|---|---|---|---|
イニリダエ | ダニバンド | ラウンド | 隈取無し | |
cf. イニリダエ (red gill cover markings) |
ダニバンド | ラウンド | 隈取有り 鰓蓋~顎下 |
|
sp.ブルトケール(Type1) | ダニバンド | ライヤー 模様有り |
隈取有り 顎下 |
|
sp.ブルトケール(Type2) | ダニバンド | ライヤー 模様無し |
隈取有り 顎下 |
|
ウアウペシー | アブドミナルストライプ | ライヤー | 隈取有り 顎下 |
|
フラベリカウダ | アブドミナルストライプ | ライヤー 中央のみ模様有り もしくは模様無し |
隈取有り 鰓蓋~顎下 |
|
リネアタ | アブドミナルストライプ | ライヤー | 隈取有り 鰓蓋~顎下 |
|
sp.イサナ | アブドミナルストライプ | スペード | 隈取? | |
sp.セーゲルフロッセン | アブドミナルストライプ | ライヤー | 隈取無し | |
sp.セーゲルフロッセン / sp.アウタナ |
- | アブドミナルストライプ | ライヤー | 隈取有り |
sp.D42 | - | アブドミナルストライプ | ライヤー 中央のみ模様有り |
隈取有り 鰓蓋~顎下 |
sp.D44 | - | 不明 | 不明 | 不明 |
sp.D51 | - | アブドミナルストライプ | ラウンド | 隈取有り 鰓蓋~顎下 |
どうでしょうか?
『お腹の模様』→『尾鰭の形/模様』→『顔周りの模様』の順番に判別していけば大体の種の判定が出来ると思います。
今後研究が進むと、現在未記載種が新たな種名で記載されたり、既存の種に含まれたりすると思われますのでそれを待ちましょう・・・。
欧米と比較して、アピストに特化した研究者が居なかったり、学会が存在しない日本では悲しいことに待つことしか出来ないのです・・・。
あっ、注意しなければいけない事があります・・・。
今回のはあくまでもオス個体の判別方法です。メス個体は・・・(^-^;
オスは慣れてくると顔を見ると大体この種だな、と判断出来るようになるのですが、メスは一見してよく判らないケースがほとんどです(^-^;
そこにつけこんで&#=@*$・・・
でもこのように似たような種でもよ~く観察していくと細かな違いが見えてきます。
そんなところが面白かったりするのですが、これってやっぱり○態ですか?(笑)
例えば・・・、
赤い丸部分を見てください。
尾筒前のラテラルバンドとその下のアブドミナルバンドの形状が少し違うのが分かりますでしょうか。
上の写真ではその間がかなり狭くなってくっ付いているように見えますが、下の二つはそれぞれの間隔を保ったままアブドミナルバンドは尾鰭の方に伸びています。
実は、上の写真がsp.ミウア、左がsp.イエローミウア、右がメンデジーです。
この部分の違いだけを見ると、やっぱりイエローミウアはメンデジーに近いんだなぁ~と感じとることが出来ると思います。
そんなところが面白かったりするのですが、でも・・・やっぱりこれって○態ですか?(笑)
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どうも〜〜ご無沙汰しています!
返信削除この内容を書いてくれるのは 何時も デスモモさん
今後の参考に させてもらいます。
今回は ダニ グループですね〜
最近 注目の グループです。
ほとんど飼育した事が無く
未知の 生物です(笑)
僕の場合 問題は メスなんですよね〜
小さいと違いが解らない(滝汗)
ヴェジタ系なら お手上げです (笑)
僕の場合 まずは ダニバンドと ギビバンドの
違いから 勉強します。
このグループで 僕が 狙っているのは
B○1 スペシャル間違えました(汗)
sp D51です! 内緒ですが、、、
コクーンさんが 前に
信じるか信じないかは あなた次第!
と書かれてましたが 信じますよ〜と
つぶやいてましたから(笑)
来たら 即売り切れが 予想されますが、、、
どうもです~
返信削除写真付きで分かり易く良いぞ~流石デスモっち!!(笑)
コロンビアの細身のApはマダマダ未知の領域?て
感じで~あ~だの?こ~だの?と〇態同志で話て
居るのが凄く楽しいですよ~(笑)検証するのに
F取りして1年以上掛かるのも?又楽しいですしね!!(笑)
> ナルさん
返信削除ホントはこういうのって楽しみながら自らが見つけるものだと思うのですが、どうも感覚だけで判断している方が結構居るようなので、種の同定の仕方をダニグループを例にして書いてみました。
こうして書き出してみると、種の特徴さえ押さえていれば単純明快ですよね。マクマス系も同様です(^O^)
つーか、ナルさんはリネアタ飼ってますよねぇ~。アピスト知らない人が見たらリネアタもブルトもみんな同じに見えますからぁ~(笑)
でも♀は今回のように単純な違いが無いのでムズいかも(^-^;
D51やD52は当分来ないと思いますよ~( *´艸`)
> 梨乃のパパさん
返信削除このダニグループは以前は何となくモヤが掛かっている状態でしたが、フラベリの存在が明らかになってからは視界が開けてクリアになりました!
オスに関しては大体それぞれの特徴が判明したのではないでしょうか。
♀については、♂の尾鰭には模様が無いのに♀には有ったりして、まだまだ検証する余地はありそうですね。F取りして1年経って両方の特徴が出てきた時はハイブリッドってことではないでしょうか・・・(^-^;
ダニグループの♀の検証はパパさんにお任せしま~す( *´艸`)