§ 目次
アピストグラマ飼育術(その1)
- はじめに
- 生態
- 飼育環境
- 光の重要性
- 観察してますか?
- 病気対策
- 状況に応じた対処法
- 状況に応じた対処法(続き)
- 業界裏話的な・・・
4. 光の重要性
- 照明時間
前回アップした飼育環境の照明のところで漏れていた部分があったので補足です。
我が家の照明はタイマーで管理していて、午前9時~午後4時まで点灯しています。
一斉に点灯したり消灯すると中にはパニックになる生体も居るので、10分前から各タイマー毎の設定時間をずらして徐々に明るくしたり、徐々に暗くなるようにしています。
部屋の窓は完全に遮光しているので、消灯してる間は真っ暗闇になります。
実は、このメリハリがアピストにとっても水草にとっても大変重要な事だと思っています。
彼らが暮らす現地の環境を想像してみると、夜は月明りで多少明るいとは思いますが水中はほとんど漆黒の闇になっている事でしょう。
人間も睡眠時は真っ暗、もしくは極々僅かな照明が点いているくらいがホルモンの関係で良いとされているし、その方が深い睡眠をとれるみたいですね。
このことからアピストも明るさのメリハリをつける事により、体色が揚がったり、水草が徒長せずイキイキと生長するのだと思っています。
また水槽内に余計な光を与えないので、藻類の繁殖をある程度防ぐ事が出来ます。
飼育環境によってはどうしてもリビングしか水槽を置く場所が無いという方も居ると思いますが、その場合でもライトの消灯時間帯はAPAP台の扉の隙間に黒いプラダンを挟んだり、水槽ごとプラダンで覆ってしまえば同じ効果が得られるはずです。
中にはアピスト観賞する時間が大抵夜なので、在宅中の夜間のみライトを点灯させてる方も多いと思います。
もしライトが点灯していない昼間に外光が入っている環境だったら、例えライトが点灯している時間が5時間であっても、その水槽の照明時間は毎日20時間なんて事もあり得るので注意してください(笑)
5. 観察してますか?
- 観賞と観察
えっ!もう一昨年!?
『マツコの知らない世界』に出演されたとあるド〇態様が言っておりました。
カラシン等が群泳する水草水槽は少し離れた位置から見るけど、アピストはガラス面に顔を押し当てて見るんだと・・・(笑)
確かにその通りだと思います!
要するにアピストは観賞もするけど観察もしなければならない観賞魚という事です。
毎日しっかりアピストを観察していますか?
時々、『気が付いたら♀が稚魚を連れて目の前に出てきていた』なんて事をブログやSNSで見かけます。
一見すると上級者感たっぷりな感じがしますけど、これって実は産卵から浮上まで一週間以上アピストすら何も観察していませんでしたと宣言しちゃってる事になるんですよね(^-^;
ちゃんと観察しましょう(^O^)
そしてアピストを飼育している以前に、濾過バクテリアを飼育している事を再認識しましょう!
- アピストの観察
まずは個体自体のチェックですが、底でじ~っとしてたり、体色がくすんだりしていないか、呼吸が早かったり深くなっていないか。
泳ぎ方が不自然ではないか。下半身全体ではなく尾びれだけをチョコチョコ動かして違和感のある泳ぎをしている時はカラムナリスになっている場合があります。
鱗が逆立ったりしていないか・・・、なんてとこまでは日々の観察に必要無いと思いますが、いつもと違って一箇所にじっとしていたり何か異変がある時はチェックします。
各個体のパワーバランスが崩れていないかを確認します。
もしDV等が発生していたら、強い個体を隔離しなければいけないレベルなのか、それとも当て馬を追加したら良いレベルなのか確認します。
産卵しているかどうか。
♀の婚姻色と動きの速さで産卵したかどうかは大体分かりますが、ずっと産卵床から出てこない場合は病気になっている場合があるので注意します。
産卵床の入口を前面ガラス側に向けておけばライトを照らすだけで瞬時に確認する事が可能です。
もし産卵が確認出来たら、おおよそで良いので必ず産卵数のチェックを行いましょう。
浮上した時の数を確認する事により浮上した割合が分かり、現在のその水槽の状態を再確認出来ます。
- バクテリアの観察
濾過バクテリアが目に見えたり、計器でその状態が確認出来たらホント楽なんですけど・・・。
無理なんですよね・・・(^-^;
ではどうやって濾過バクテリアの状態を確認するか・・・。
pH値を測定したり亜硝酸や硝酸塩を測定すれば水質を数値で確認出来ますが、安定して生物濾過が働いているかどうかは数値だけでは確認出来ません。
アピストの状態と水槽の状態を日々チェックしてその変化を自信の目と感覚で確認していくしかありません。
観察する内容は、水温、水位、水流の強さ、水の色、水の匂い、油膜、スポンジフィルターから出る泡の状態、藻類の繁殖状況、等々。
これらがどのような状態だったら良いのか、あるいは悪いのかっていうのはここでは書けません。
教えたくないんじゃなくて、教える事が不可能なのです。
と言うのも、これらの状況は飼育している所の水道水や環境によって様々に変わるので、一概にこのような時はこうだとは言えないのです。
今まで匂いがしなかったのに最近変な匂いがするとか、水泡がいつまで経っても消えないとか、普段発生しないアオミドロが出てきたとか・・・。
こういった変化が起きた時は、その前後で何があって何が起きるのかをしっかり確認しておく事が重要です。
- 良質な環境の維持
pHとTDSメーター、LED小型ライト、スポンジフィルターをメンテする際に便利な犬用歯ブラシ(笑)
私は、アピストの観察とバクテリアの観察は給餌する時に行います。
そしてその時の状況を記憶または記録します。
もし観察している時に何か変化を見つけたら過去を振り返り、悪影響が想定されると思ったらそれに対処します。
一番最初に初心者とベテランの違いを書きましたが、3年くらい毎日観察をしていると様々な変化を見ることになります。
その変化とその結果を記憶することにより、真のベテランのように事故を未然に防げるようになると思います。
大抵の場合、アピストに何か悪い影響が出ている場合は手遅れになる場合が多いです。
アピストに害が出る前には環境面で何か変化が生じているはずなので、それを早期に発見出来るように日々の観察をしっかり実施しましょう!
とは言ってもここが一番難しいところなんですよね・・・(^-^;
毎日給餌をするので、濾過バクテリアの状態は日々変化します。
良い状況に向かっていたり、逆に悪い状況に向かっている時もあります。
年月が経ち濾過バクテリアが安定して、よく言われる"こなれた水"になると濾過バクテリアの調子の波は穏やかな波形になってきます。
濾過バクテリアの状態がベストの場合を100としたら、80~90くらいの間で調子をキープ出来れば理想だと思います。
もし100を目指した場合、もし何か想定外な事態に陥った場合には一気に0になってしまう可能性があり、諸刃の剣的な面があるので気を付けたいところです。
6. 病気対策
- 病気の原因
アピストが病気になる原因は、大概同居魚との関係によるストレスや飼育水によるストレスによるものだと思います。
アピストは基本的に強い魚なので、ストレスを最小限に抑えてあげれば、体色が揚がり、自然に繁殖に至り、水槽環境下では2年位は当たり前に生きるはずです。
- 病気
カラムナリス病やエロモナス病がアピストが一番罹りやすい病気でしょうか。
どちらも常駐菌による病気なので、ストレスがあったり弱っている時には罹りやすいと思います。
ただカラムナリスは初期の症状だったらグリーンFゴールド(顆粒)で比較的簡単に完治出来ると思います。
発見が遅れてエロモナスも発症してしまう場合があるので気を付けましょう。
エロモナスの方はちょっと厄介です。
これに罹ってしまったら諦めた方が精神的に楽かもしれません。これにならないように観察をしっかり実施して予防するのが重要だと思います。
ただ、お腹が膨れて底にじっとしている場合、単なる消化不良の時があります。
観パラ浴の水質変化に耐えられず、無駄な死を招いてしまう事があるので気を付けたいところです。
私の場合、エロモナスの症状が出たら半分諦めて、薬浴はせず、換水して一週間絶食させます。
そのまま一週間☆にならず白い糞を出し始めたら単なる消化不良の可能性が高いです。
白点病やコショウ病はアピストに発症するケースは少ないですが、アピスト以外のドワシク(チェッカーやラムなど)は水温や水質の変化で罹りやすい病気だと思います。
これらは魚病薬で完治させることが出来ます。
ただし、薬浴中は『お腹が空いてるだろうから』と餌を与える事はNGです。
折角回復の方向に向かっているのに、餌を与える事で水を汚してしまい逆に悪い方向に向かう事があるので気を付けましょう。
一週間くらい絶食させても何の問題もありません。
- 魚病薬
使わない物が多いですが一応常備している薬です。
グリーンFゴールドをかなり前に一度使ったきり。他はプラナリアゼロを少し使ったくらいで他は最近ほとんど使っていません。
立ち上げ間もない水槽は、ブラインをあげ過ぎるとヒドラが発生します。生物兵器を導入しても良いですが、フィルター内に潜んでいる場合があるので、プラナリアゼロを使った方が楽です。
ただし、プラナリアゼロは通常では使い切れないほどの量が入ってますので、知り合いに持っている人がいたら少し分けてもらった方が良いかもしれません(笑)
- プラナリアゼロの意外な活用法
プラナリアゼロは、石巻貝などの貝類が居る水槽で使用すると☆になりますので気を付けてください。
逆に考えると、貝類を撲滅させたい時はプラナリアゼロを使用すれば良いのです。
スネール(カワコザラガイ等)で困っている水槽があったら、こちらも生物兵器を使わずにプラナリアゼロを試してみてください。
外部フィルターの中にいるスネールも撃退出来ますよ!
ただし、全ての貝類に有効なのかどうかは確認しておりませんので、使用する際は自己責任にてお願いします(笑)
ふぅ~(*´з`) こんなに長くなるとは思わなかった(>_<)
次で完結です(๑•̀ㅁ•́๑)✧
ここまで読んでくれた方はポチッとしてください。
アドケプターに変身します!↓
アドケプターに変身します!↓
どうもです~
返信削除凄いな~Mr.デスモ~改めデスモち!!(笑)
素晴らしい解説だ~とても分かり易いですよ~
流石オタクの鏡!!(爆)この記事を読んでAp
を始めて見よう?て人が確実に増えると思いますし~
今現在、ある意味壁?に当たって居る人も、壁が越えられる
のでは?(笑)デスモち!!のおかげで少しはAp〇態仲間が
増えるかな?(笑)
デスモさん!
返信削除感動しております!
惜しみなくここまで記事にしてくれるとは!
完全保存版ですね。
これからアピを始めようとしている人のバイブルになること間違いなしです。
私も話には聞いたが、忘れていたこともあったりして、参考にさせていただきたいことが沢山あります。
デスモさん!ありがとうございます!
照明はほんと前から気になってました。
返信削除主に水草水槽でですが。
どうしても夜つけたいのでねぇ・・・そうすると・・水草的には真っ暗って数時間しかないんじゃないかな?と。ショップはその辺も考慮して12時ぐらいから20時ぐらいのお店がおおいのかな?とかとか。
で、そーいえばアクア始めた当初は日中はちゃんとカバーかけてたなぁ・・・って思い出したので・・・ちょっとなんとかしてみようと思います(๑•̀ㅂ•́)و✧
最近は、ちゃんと産んだ日が分かるようになりましたぜぃ(๑•̀ㅂ•́)و✧
明日産む!って思ったらちゃんと産んでたりフッフッフ。
観察のくだり正に!です。
返信削除観察してても間違えて捉えて、浮上前日に
水換と大掃除しちゃいました。
産卵自体、浮上してのお楽しみとか思ってましたが、
次回からは数も数えて、水槽の状態を確認しようと
思います。頷きと自分の状態とクロスすると
背筋伸びました。
> 梨乃のパパさん
返信削除デスモち!??なになに?何のこと?
このブログを読んでいる人はそれほど多くは無いと思いますが、少しでもヲタクが増えれば嬉しいですね!
仲間が増えればアピストも売れるので、問屋やお店が喜んで新しいアピストやマニアックなアピストが入って来るから我々のようなハイパーヲタクも喜ぶ(笑)
良い事尽くめじゃないですか!(๑•̀ㅂ•́)و✧
> abotさん
返信削除いや~、こんなに長くなるとは思っていなかった(^-^;
思いつくままに書いているので、間違っている事や矛盾したところがあると思います。
でもこの記事が初心者の方の役に立つのであればやった甲斐がありますね!
完結するまで頑張ります!
> moominさん
返信削除そうそう。特に水草は光が重要なのでメリハリはしっかりつけてあげた方が良いと思いますよ。
産卵日を予測出来る?
良い師匠をお持ちですね!
既に我々ハイパーヲタクの一員です(笑)
> さとしさん
返信削除よくあることです(笑)
しっかり観察していると色々変化があって面白いですよ。
お役に立てれば嬉しいです!(^O^)
はじめまして
返信削除いつも拝見させていただいております。
飼育方法3についても
記載お願いいたします。
楽しみにしてます。
失礼しました。
返信削除まさに記載されてますね。
水替の際、水を足すときはどのようにされてますか?